ウレタン防水の単価と費用相場ってどのくらい?工法別に徹底解説!
「ウレタン防水の単価と費用相場ってどのくらいだろう」
「そもそもウレタン防水ってどういうものだろう」
と悩んでいませんか?
雨漏り予防の防水工事を検討する際、依頼者は事前に防水工事について調べる必要があります。事前調査によって、適切な業者や工事を選択できるからです。
この記事を読むと、以下の内容がわかります。
- ウレタン防水とは?
- ウレタン防水の単価と費用相場
- ウレタン防水の代表的な2つの工法
- 適切な業者を選ぶための方法
この記事では、ウレタン防水の概要や単価、費用相場について詳しく解説しています。
また、適切な業者を選ぶ方法もお伝えしているため、ウレタン防水による防水工事を検討している方や、適正価格で業者に依頼したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
クリックできる目次
ウレタン防水とは
ウレタン防水とは、マンションや陸屋根の屋上、ベランダやバルコニー等に施される防水工事の1種です。
ポリイソシアネートを主成分とする主材と、ポリオールを主成分とする硬化剤の2液を混合して塗布する2液型や、配合ミスや混合・攪拌不良による不具合などの心配がない1液型、環境対応型、強度や耐久性を上げたものなど、さまざまな種類があります。
ウレタン防水は、液体状のウレタン防水材を何度も塗り重ねるため、複雑な形状の場所でも高い水密性を発揮し、継ぎ目のない防水層の形成が可能です。
また、施工の簡単さ、工期の短さから、多くの防水工事に採用されています。その中でもよく採用される工法は<密着工法>と<通気緩衝工法>です。
ウレタン防水の単価と費用相場ってどのくらい?
ウレタン防水は、工法によって単価が変わります。密着工法と通気緩衝工法の単価はこちらです。
工法 | 費用相場(/㎡) |
ウレタン防水<密着工法> | 3,000円〜6,500円 |
ウレタン防水<通気緩衝工法> | 4,000円〜8,500円前後 |
一般的に通気緩衝工法の単価は密着工法より高く設定されており、その理由はそれぞれの工法の特徴にあります。
密着工法と通気緩衝工法について、メリット・デメリットも含め詳しく説明するので、参考にしてください。
また、単価ではなく合計金額が知りたい方は、建物の現状等により金額が変わるため見積もりを取りましょう。
ウレタン防水<密着工法>の特徴
密着工法とは、一般的に下地に直接ウレタン防水材を塗り、補強用クロスを貼って更に一定の厚さに塗り重ね、最後にウレタン防水材を保護するためのトップコートを塗り、防水層を形成する工法です。
すでにウレタン防水が施工されている場合や、ほかの防水が施工されて十分な防水層ができている場合は、補強用クロスを省いてウレタン防水材を塗布する場合もあります。この場合はメーカー保証の対象外となる可能性もあり、注意が必要です。
<ウレタン防水(密着工法)の耐用年数とメリット・デメリット>
耐用年数 | 12年前後 |
メリット | 工期が短い初期費用が安い周囲の環境に配慮した工事ができる施工中の漏水事故の心配がない |
デメリット | 人力のため、完璧に均一にはできない経年による劣化・亀裂・膨れに弱い5~6年ごとにトップコートの塗りなおしが推奨されている※高耐久なトップコートを塗布して、塗りなおしをなくすことも可能 |
次に、通気緩衝工法について説明します。
ウレタン防水<通気緩衝工法>の特徴
通気緩衝工法とは、下地に裏側に溝がある通気緩衝シートを貼りつけ、ウレタン防水材を塗り重ねて防水層を形成する工法です。
この工法では、下地に残っている水分を通気緩衝シートを通じて脱気筒から外に逃がせます。そのため、マンションの屋上や陸屋根など水分を多く含んだ下地に適しています。また、通気緩衝シートがあるため、下地の影響をほとんど受けず、耐久性が高いです。
なお、通気緩衝工法は手順が少し複雑なため、防水工事専門業者への依頼をおすすめします。(防水工事業者以外にも提案、施工は可能です。)
<ウレタン防水(通気緩衝工法)のメリット・デメリット>
耐用年数 | 13年前後 |
メリット | 耐久性・防水性が密着工法よりも高い水分を含んだ下地に強い傷み、劣化が進んでいる既存の防水層にも影響を受けにくい以降の改修工事は密着工法で対応でき、安価に施工できるため、長い期間で考えると得となる場合がある |
デメリット | 複雑な箇所は対応できない費用が高い5~6年ごとにトップコートの塗りなおしが推奨されている※高耐久なトップコートを塗布して、で塗りなおしをなくすことも可能 |
メリットに記載の通り、通気緩衝工法は密着工法より耐久性や防水性が高いため、単価も高く設定されています。
次に、具体的な見積もり例をお伝えします。
ウレタン防水で屋上防水工事をした場合の料金例
はじめに、ウレタン防水<密着工法>を用いて屋上を施工する際の見積もり例です。
ウレタン防水<密着工法>
名称 | 形状・寸法 | 数量 | 単価 | 金額 | |
1. | 高圧洗浄ケレン清掃 | 水洗い | 133.7㎡ | ¥250 | ¥33,425 |
下地補修 | 膨れ等撤去段差補修 | 1.0式 | ¥10,000 | ¥10,000 | |
改修ドレン取付 | ストレーナー込み 縦60Φ | 3.0ヶ所 | ¥13,000 | ¥39,000 | |
脱気筒取付 | ステンレス製 | 2.0ヶ所 | ¥10,000 | ¥20,000 | |
ウレタン防水 平場 | 通気緩衝工法2層トップコートアクリルウレタン | 133.7m² | ¥5,800 | ¥775,460 | |
ウレタン防水 立上り H≦500 | 密着工法クロス入り2層 | 44.7m² | ¥1,500 | ¥67,050 | |
板金笠木塗装 | ケレン、錆止め、上塗りジョイントシール込み | 14.5m | ¥1,600 | ¥23,200 | |
入隅補強シーリング | ポリウレタン製 | 44.7m | ¥1,000 | ¥44,700 | |
2. | 諸費用 | 交通費、駐車場代 | 1式 | ¥20,000 | |
3. | 発生材・残材処理費用 | 運搬費込み | 1式 | ¥30,000 | |
4. | 端末調整 | ¥-2,835 | |||
合計 | ¥1,060,000 | ||||
消費税 | 10% | ¥106,000 | |||
請求金額 | ¥1,166,000 |
ベランダやバルコニーを施工する際は、施工面積が小さくなるため、請求金額は屋上の場合よりも低くなります。
次に、ウレタン防水<通気緩衝工法>を用いて屋上を施工する際の見積もり例です。
ウレタン防水<通気緩衝工法>
名称 | 形状・寸法 | 数量 | 単価 | 金額 | |
1. | 高圧洗浄 | 水洗い | 159.2㎡ | ¥250 | ¥39,805 |
伸縮目地撤去打ち替え | ポリウレタンシーリング | 79.1m | ¥1,800 | ¥142,380 | |
笠木下地調整 | 樹脂モルタル塗布 | 46.7m | ¥1,500 | ¥70,050 | |
改修ドレン取付 | ストレーナー込み | 4.0ヶ所 | ¥10,000 | ¥40,000 | |
脱気筒取付 | 2.0ヶ所 | ¥10,000 | ¥20,000 | ||
入隅補強シーリング | 顎裏上・入隅下(外周2週) | 93.4m | ¥800 | ¥74,720 | |
ウレタン防水 平面 | 通気緩衝工法2層アクリルトップコート | 114.9m² | ¥6,000 | ¥689,400 | |
ウレタン防水 立面 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート | 46.7m | ¥1,500 | ¥70,050 | |
ウレタン防水 笠木 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート | 46.7m | ¥1,500 | ¥70,050 | |
ウレタン防水 フェンス架台 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート 入隅シール込 | 36.0ヶ所 | ¥2,000 | ¥72,000 | |
ウレタン防水 ハト小屋 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート 入隅シール込 | 1.0ヶ所 | ¥20,000 | ¥20,000 | |
ウレタン防水 庇 平面 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート | 15.5m² | ¥4,500 | ¥69,750 | |
ウレタン防水 庇 立面 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート | 43.3m | ¥1,000 | ¥43,300 | |
ウレタン防水 塔屋 庇 | 高強度ウレタン2層アクリルトップコート | 1.0式 | ¥50,000 | ¥50,000 | |
庇 ドレン塗装 | エポタール | 4.0ヶ所 | ¥2,000 | ¥8,000 | |
改修ドレン取付 塔屋 | ストレーナー込み | 1.0ヶ所 | ¥10,000 | ¥10,000 | |
2. | 諸費用 | 交通費・養生費・他 | 1式 | ¥25,000 | |
3. | 発生材処理費用 | 運搬費込み | 1式 | ¥50,000 | |
4. | 荷揚げ荷下げ費 | 3F階段にて | 1式 | ¥30,000 | |
5. | 端末調整 | ¥-4,500 | |||
小計 | ¥1,590,000 | ||||
消費税 | 10% | ¥159,000 | |||
請求金額 | ¥1,749,000 |
見積もり例から、密着工法に比べて、通気緩衝工法は工程数も多いため、金額は高くなる傾向があると分かります。
また、上記見積もり例は2023年1月現在の価格ですが、円安や物価高騰などの影響で、どの防水工事業者も値上げをせざるを得ない状況です。
この状況からも、防水工事業者を選ぶ際には、適切な業者選びが重要です。
適切な業者を選ぶためにはどうすればいい?
適切な業者が選べると、防水工事のトラブルを避けられ、結果的にコスト削減につながります。
適切な業者を選ぶためには、以下の4つを行いましょう。
- 相見積もりをする
- 見積書の項目を細かく確認する
- 防水専門業者を選ぶ
- 極端に安い業者を避ける
この4つを徹底するだけで、トラブルに巻き込まれる可能性が低くなります。
まとめ
事前にウレタン防水の単価・費用相場を知っていると、適切な防水工事を行うことができます。
実際に見積もりをする際に相場を知っていると、業者の選び方は大きく変わるでしょう。そのうえで、適切な業者の選び方として紹介した4つのポイントをふまえて、判断することが重要です。
ぜひこの記事を参考に、適切な防水工事をおこなってください。