マンション屋上の防水工事とは?工程と費用相場とは
「マンションの屋上の防水工事ってどんな種類があるんだろう?」「価格って変わってくるのかな?」「メンテナンス周期ってどれくらい?」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
マンションの屋上の防水工事は、雨漏りを防ぐための大事な工事です。屋上により工事の種類は変わるため、事前の確認が大切です。
この記事では、マンションの屋上の防水工事について、工法や費用について解説します。また、工法別の特徴一覧表も記載しているので、どんな違いがあるのかまずは知りたい!という方にも読みやすい内容となっています。
マンションの屋上の防水工事に悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
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マンション屋上の防水工事とは
マンション屋上の防水工事とは、屋上に雨漏りを防ぐための防水層を施す工事です。
一般家屋の三角の屋根の場合、雨水は溜まらずに流れていきます。しかし、マンションやビルなど平らな屋根の「陸屋根タイプ」は、雨水が流れにくい構造です。そのため、防水工事を行い、雨水が屋根に溜まり、雨漏りが発生することによるマンションやビルの劣化を防ぎます。
また、防水工事を実施したとしても経年劣化してしまうため、定期的に防水工事を実施する必要があります。
防水工事は、12年に1回おこなわれる大規模修繕のタイミングで実施するのが一般的です。しかし、劣化状態によっては、防水層を保つために大規模修繕前をまたずにメンテナンスをする必要があります。
マンション屋上の防水工事の種類
マンション屋上の防水工事の種類は、「シート防水」「アスファルト防水」「ウレタン防水」「FRP防水」の4種類です。それぞれ特徴が異なるため、防水工事を実施したいマンション屋上にあった種類を選びましょう。
4種類の特徴について詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
シート防水
シート防水の施工方法は、ゴム製や塩化ビニール製のシートを接着剤やビスを使用し固定する方法です。シートに厚みがあるため既存防水層の多少のひび割れはカバーができ、修繕をしなくても施工が可能です。
シート防水は、施工期間が短くメンテナンスもほとんど不要なため、中長期でみてもコストを抑えられます。
施工の際には塗料や火を使用しないため、施工中の匂いは気にならないでしょう。しかし、機械的固定方法で施工する場合、振動や騒音が発生するため、居住者への告知が必要です。
アスファルト防水
アスファルト防水の施工方法は、液状に溶かしたアスファルトでアスファルトシートを貼り合わせ、防水層を形成する方法です。
アスファルトシートを貼る防水は昔から使われてきた工法のため、高い信頼性があります。また耐久性もほかの防水工事より高く、将来的な施工回数を減らせます。トーチ工法は炙ってシートを溶かし1枚ずつ貼るため、施工期間は長いですが、溶けたアスファルトによって形成された防水層は機密性が高く安心です。
ウレタン防水
ウレタン防水の施工方法は、液状のウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成する方法です。
液状のため、複雑な形状でも施工することができ、障害物があっても問題ありません。
また、軽量で建物への負担が少なく、通気緩衝工法では下地の湿気による膨張を防げます。そのため、既存防水層を撤去せず施工も可能です。
乾燥期間を工程ごとに取るため工期が長く、耐久性が弱いため定期的な点検が必要などのデメリットがあります。
FRP防水
FRP防水の施工方法は、ガラス繊維のプラスチックシートにポリエステル樹脂を組み合わせる方法です。継ぎ目のないシームレスな層で防水性能が高い、軽い性質で建物への負担がない、腐食しにくいプラスチックを用いるため長持ちする、などの特徴があります。
また、固まるスピードも速く、施工期間は1日です。ポリエステル樹脂も組み合わせているため、耐久性にも優れてはいますが、伸縮性はないため地震により割れてしまう可能性が高いです。
【比較】マンションの屋上の防水工事一覧
4種類の防水工事の施工方法や耐用年数・価格などを一覧にまとめたので、ぜひご覧ください。
シート防水 | アスファルト防水 | ウレタン防水 | FRP防水 | |
施工方法 | 密着工法機械的固定方法 | 熱工法トーチ工法常温工法 | 密着工法通気緩衝工法 | 塗膜防水 |
耐用年数 | 10〜15年 | 15〜25年 | 10〜12年 | 10〜12年 |
価格(1㎡) | ¥8,000〜15,000 | ¥3,000〜8,000 | ¥3,000〜6,500 | ¥6,500~10,000 |
メリット | 施工期間が短いメンテナンスが不要中長期でみてコストを抑えられる | 耐久性に優れている将来的な施工回数を減らせる | 軽量既存の防水層撤去が不要 | ポリエステル樹脂との組み合わせで、耐久性に優れる |
デメリット | 機械的固定方法の場合振動と騒音が発生する | 施工期間が長いアスファルトを溶かす際の匂いと煙に注意が必要 | 乾燥期間が長い耐久性が弱い定期的な点検が必要 | 伸縮性がない地震により割れる可能性が高い |
ウレタン防水やアスファルト防水などのトップコートを使用する防水層の場合、耐用年数を待たず3〜5年毎に1回でのメンテナンスが望ましいです。
軽量なものや耐久性に優れているものなど、種類によってそれぞれメリットやデメリットがあります。マンションの屋上の状態にあったものを選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、マンション屋上の防水工事について詳しくお伝えしました。
防水工事の種類は、「シート防水」「FRP防水」「アスファルト防水」「ウレタン防水」の4種類があり、それぞれ特徴が異なるため、防水工事をおこないたいマンション屋上に合わせて選ぶ必要があります。
実績が少ない業者も多いため、業者を選ぶときには相見積もりをとり、業者の実績も十分に確認したうえで防水専門業者を選ぶようにしましょう。
ぜひ、今回の記事を参考にして防水工事の工法や種類を理解し、安心して依頼できる業者を選んでください。