自分でやる屋上防水工事は危険?注意点や失敗時のリスクを解説
「屋上防水工事の自分でやることはできるのだろうか」
「屋上防水工事の費用を抑える方法を知りたい」
と気になっていませんか?
この記事を読むと以下の内容が分かります。
- 屋上防水工事のDIYはできるのか
- 屋上防水工事を自分で行う危険性
- 屋上防水工事の費用相場(ウレタン防水)
屋上防水工事について調べると「DIYで防水工事!」「自分でやる防水補修」などの情報が存在します。そのため屋上防水のDIYは簡単と感じてしまうかもしれません。しかし、軽はずみな気持ちでDIYをすると、建物全体に深刻な問題が起こる危険性があります。さらに、将来的なコストが増大する可能性も高いです。
今回の記事では、屋上防水工事を自分でやるメリット・デメリットについてや、費用を抑えるために「自分でやるぞ!」と考えている方に向けて、ウレタン防水工事を業者に依頼した時の費用相場もお伝えします。
ぜひこの記事を読んで、自分でやる屋上防水工事について理解し、皆さんの屋上防水工事の参考にしてください。
クリックできる目次
屋上防水工事を自分でやるメリット
1番大きなメリットは、施工費(人件費)や諸経費(足場の設置費用など)が一切かからないことです。自分でやる場合は材料費だけで済むため、低コストに抑えられます。
また「業者との日程調整が必要ないため、自分の空いた時間に作業できる」「作業員がマンションの敷地を出入りしない」などのメリットもあります。
屋上防水を自分でやるならウレタン防水
屋上防水を自分でやるなら、ウレタン防水がおすすめです。防水工事の中でも比較的難易度が低いからです。
2液混合が必要なウレタン防水材は、混合不足によりかたまらない場合があります。そのため、価格は高くなりますが1液剤を選ぶことをおすすめします。塗料は液状のため、施工場所の形状にとらわれずに塗布でき、下地も選びません。
屋上防水工事を自分でやる3つのデメリット
屋上防水工事を自分でやるデメリット(危険性)は、工事に失敗した場合のリスクがとても高いことです。ウレタン防水は、塗料を塗るだけだから簡単と思われがちです。しかし、プロのような経験や技術がない施工は、簡単に剥がれてしまうでしょう。
また完成後の失敗だけではなく、施工中に起こる失敗も存在します。以下では、屋上防水工事をDIYした場合に起こりうる危険性について、詳しくお伝えします。
施工不良による雨漏りの拡大
ベランダや屋上防水工事は、本来は国家資格である「防水施工技能士」が必要なほど、高い難易度が求められます。材料の取り扱いや施工の際には、豊富な知識と高い技術が必要です。
一般の方が施工すると、塗料の硬化不良や厚みが足りないなどの施工不良が起こる可能性が高く、防水工事をしたつもりが雨漏り被害が拡大した、という事故につながりかねません。
例えばコーキングの補修1つにとっても、プロは劣化したコーキングを取り除いて充填する打ち替えで補修しますが、個人では劣化した上にコーキングを充填する打ち増しでおこないます。打ち増しでは修理した箇所の劣化がひどかったり、相性の悪いコーキング材だったりすると、既存のコーキングと一緒に剥がれ、雨漏りが発生してしまうのです。
このように、知識のないむやみなDIYは雨漏りの原因となる可能性があります。
高所での施工時の事故
屋上フェンスがない建物では、足場がないと危険が伴います。
厚生労働者が発表した「建設工事における労働災害防止対策」では、令和3年度の建設業での死亡事故数は288人、その中でも転落・転倒事故は110人で、死亡事故の38%です。死亡に至らなかった、死傷事故でみると4,869件も発生しています。
高所作業はプロの方からみてもとても危険な作業で、素人ではさらに危険度は増すでしょう。
参照:『建設工事における労働災害防止対策』
将来的なコストの増加
DIY防水の費用は、初回にうまくいけば安く抑えられますが、失敗すると再度DIYをしなければならず費用が上乗せされます。
また、自分で何度やっても上手くいかずに屋上防水工事を業者に依頼した場合、それまでの防水層をすべて剥がす必要があり、余計な費用がかかってしまいます。
自分でやる屋上防水が安く済むのは、1回で成功できた場合だけだと考えましょう。
屋上防水工事は業者へ依頼しよう
ここまでお伝えしたように、自分でやる防水工事のリスクは非常に高く、最初から業者への依頼がおすすめです。業者に依頼した場合には、以下のメリットもあります。
- ほとんど失敗のリスクがない
もし何か問題が発生しても、優良な施工会社であれば施工保証が発行されており、ほとんどの場合、工事後のアフターメンテナンスが受けられます。
- 将来的なメンテナンス時のリスクやコストを軽減できる
デメリットでお伝えした以外にも、本来トップコートのみで定期メンテナンスの予定が、DIYによりすべて取り換えになる可能性もあります。初めから業者に依頼し、将来的なコストの発生を防ぎましょう。
「それでも安く済ませたいから……。」とお悩みの方に、防水工事の中では安価に施工できるウレタン防水工事の費用相場を紹介します。相見積もりを取って業者に確認することで、安価でもしっかりとした防水工事を行う業者を選択できるでしょう。
ウレタン防水工事の基礎知識
ウレタン防水の費用相場と、基礎知識をお伝えします。
価格 | 保証 | 耐久年数 | お勧め対象 | |
密着工法 | 3,000円〜6,500円 | 5年、10年※ | 12年前後 | 鉄骨造以外 |
通気緩衝工法 | 4,000円〜8,500円前後 | 10年 | 13年前後 | すべて |
※トップコートによりメンテナンスが必要
密着工法は、塗るだけで防水層が形成できる最もスタンダードな工法です。材料を塗るだけの比較的簡単な工事で、工期も短く済みます。既存防水層を傷つけず施工が可能で、施工中の漏水事故の心配もありません。
通気緩衝工法は、通気緩衝シートを貼ってからウレタン防水材を塗る工法です。密着工法の上位グレードで、下地の状態や仕様などにより選択します。下地内に滞留する水が気温の上昇で気化し、防水層に膨れを生じさせることを防ぎます。
ウレタン防水工事の見積り事例
実際の相見積もりの事例を紹介します。同じ面積、同じウレタン防水でも、素材や施工方法によって、費用は大きく変わります。
- 施工場所 戸建て 30㎡
- 施工内容 FRP防水からの変更
施工費 | 施工方法 |
55万円 | 高強度ウレタン防水密着工法 |
15万円 | 高強度ではないウレタン防水材の密着工法 |
65万円 | 長尺シート貼り、通常のウレタン防水密着工法 |
価格だけではなく強度や材料など、自分の建物に必要な防水工事を見極めるためにも相見積もりは重要です。
相見積もりの重要性と優良業者の選び方
相見積もりを取ることで「相場とかけ離れていないか」「実際の面積より広く計算されていないか」など、悪い業者を見定められます。しかし、見積もり事例でわかるように、防水工事は価格だけでは業者を比較することができません。
相見積もりを取ったうえで自分に合った優良企業を選ぶ際には、以下のポイントに気をつけましょう。
- 実績を写真で明示している。
- 施工箇所に適した防水工事を提示している。
- 見積書に一式を多用せず内訳の説明がある。
- 質問に丁寧に答えてくれる。
- 施工依頼を急かさない。
- 安さを売りにしていない。
このような工事業者なら、信頼できると考えてよいでしょう。少しでも違和感がある業者の場合、依頼せず再度相見積もりをとることをおすすめします。
まとめ
自分でやる屋上防水工事は一見簡単そうに見えますが、施工時、施工後ともにとても高いリスクが潜んでいます。
費用面からDIYを検討している場合も、失敗した時のリスクや将来的なコストを考えると、業者に依頼をしてきちんとした対応をした方がよいでしょう。
相見積もりを取って業者に確認することで、安価でもしっかりとした屋上防水工事ができる可能性が高くなります。ぜひ防水工事インフォメーションで相見積もりをとり、確認してください。